蒸機全盛のころは長崎本線・佐世保線列車の分割・併結のため、構内にはいつも1〜2両の蒸気機関車が滞留していた。ほとんどの旅客列車がディーゼル動車に変わった今、静まり返った広い構内に初夏の陽射しだけがいたずらに明るい。折り返す機関車のためにつくられた三角線にC51形の姿はなく、線路は赤錆びて雑草の茂みの下にひっそりと眠っている。ホームでは編成の切離し作業が手早く進められ、長崎ゆき〈さくら〉は基本編成だけの現車8両・換算26・5両(265トン)の身軽な姿になり、11時14分、エンジンの音を力強く響かせてホームを離れていった。
[参考]
乗鞍高原温泉
http://www.jalan.net/onsen/OSN_50187.html
博多 ホテル
http://www.jalan.net/hotel/400000/STA_019466/
一関 ホテル
http://www.jalan.net/hotel/030000/LRG_031100/
銚子 ホテル
http://www.jalan.net/hotel/120000/LRG_121700/
川湯温泉
http://www.jalan.net/onsen/OSN_50371.html
鳥栖機関区1組1仕業の乗務員たちは長崎まで乗務し、今夜、上り寝台特急〈あかつき〉を牽引して鳥栖へ戻るのである。残された佐世保ゆき。付属編成の前頭に、独特の簡易電源車マヤ20形を従えたD51形53号機が連結された。このヘッドマークの桜の花びらの地色は青である。佐世保ゆき〈さくら〉は8両編成、換算25・5両(255トン)、終着―佐世保まで走らせるのは早岐機関区―組1仕業の乗務員たち。佐世保線は勾配路線で、なかでも武雄から永尾まで4・6キロメートルは標準勾配瞬パーミルの難所。急坂を登ってゆくD51形の表情は見た目には変わらないが精一杯の仕事だ。〈さくら〉の車内には、長い旅の果ての物憂さが漂っている。客室乗務員たちの顔にはさすがに疲労の色が隠せない。