二時間の汽車旅はあっという間に終わった

2011.10.20

「SLやまぐち号」二つ目の峠越えだ。船平山を通過すると長さ一五五五メートルの白井トンネルに入る。このトンネルは山口県と島根県の県境でもある。そのあともトンネルが連続し、白井トンネルを含めて六つのトンネルを抜けると、眼下に山陰の小京都といわれる美しい津和野の町並みが見えてくる。汽車は緩やかに弧を描くようにカーブしながら勾配を下っていく。さながら飛行機が着陸するように次第次第に高度を下げながら津和野の町中へ入るさまは、旅のエンディングにふさわしい。左手に広がる町並みの彼方の山腹にトンネルのように並んだ赤い鳥居の太鼓谷稲荷神社が見えると、津和野川の鉄橋を渡り、ゆっくりスピードを落として津和野駅に滑り込む。たっぷり二時間の汽車旅はあっという間に終わってしまった。





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